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P4Memo

P4Memo 要は萌の発露

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2025/05/13(Tue)15:29

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小話

2010/09/11(Sat)01:24

す、すみません!
もう9月だというのに8月の性転換小話15でございます!

女性主人公で以下省略!

さっそく読んでくださる方は「つづきはこちら」からどうぞ!


*****




 ギラギラと照りつける太陽に、うんざりと僕はかぶっていた帽子を団扇代わりにして首元を仰ぐ。だが、熱気を含んだ風がやってくるだけでいっこうに涼しさを感じる事が出来ず、結局帽子をかぶり直した。

 額から流れる汗。
 水分をとってもこれでは熱中症になってしまいかねない。
 それほどに日差しが強い。

 こうなったら少し涼める所で休憩しないと身が持たないとジュネスへと足を向けた。




「あれ? きみ」

 ちょうど自動ドアをくぐった所で、見覚えのある人の声を聞いて僕は立ち止まった。
 涼しい店内にほっと息を吐きつつその声の主を探せば、彼女は見慣れないエプロン姿でこちらに手を振っていた。

 神凪 伊月。

 ジュネスのロゴの入ったエプロンを一目見ればここでバイトしていると分かる。彼女と一緒にいる花村陽介はここの店長の息子だ。彼本人もここでバイトをしている。その流れで彼女もバイトしているのだろうと容易に推測できた。

 しかし分からないのは僕に声をかける理由だ。

 僕と彼女たちは正直なところ、円滑な関係を築いているとはいえない。
 どちらかと言えば反目していると思われていてもおかしくないというのに。

「どうも」

 しかしながら僕自身は限りなく疑いを持っていたとしても彼女を敵としてみなしている訳ではないから、軽く頭を下げて挨拶をする。

「こんにちは。暑いね」
「そうですね」
「今、屋上で花村のバイトを手伝っているんだ」
「屋上で?」

 この炎天下の中で・・・。

「倒れますよ」

 思わず零れた言葉に小さく彼女は笑った。

「心配してくれてありがとう。倒れないように交代で休憩を入れながら頑張っているから大丈夫」

 つまりは今、その休憩の順番が彼女という事なのだろうか。

「きみも涼みにきたの?」
「・・・ええ」
「また、探偵の仕事かな? 聞き込みも大変だね。・・・あ、ちょっと待ってて」

 そういうと、さっと身を翻した彼女は店内へと姿を消した。
 なぜ、彼女の言葉どおり自分はここで待っているのだろうか。

 先ほども言ったとおり、僕たちはけして仲が良い訳ではないのだ。素直に待っている必要もないだろうに僕は大人しくこの場にたたずんでいる事がなんだかおかしくてならない。

 きっと、彼女の警戒のない態度が僕をここにいさせているのだと思う。

 あれだけ、敵対意識を露骨に出した他の仲間たちの中にいたというのに、何の険もない笑顔で手を振った彼女。まるで親しい間柄のように話しかけてきた。

 なんだか、妙な胸の疼きを感じた。

「お待たせ」

 ほどなくして戻ってきた彼女の手にはスポーツ飲料のペットボトルが握られていた。

「はい」

 そうして差し出されたそれを戸惑いながら受け取る。

「汗、たくさんかいたんでしょう? 水やお茶よりもそっちがいいかなって思ったんだけど・・・嫌だった?」
「え?」

 つまりはこれは、僕に、なのか。

「あ、ありがとう、ございます」

 慌てて礼を言うと、「どういたしまして」と笑った彼女。
 妙に、胸が騒ぐ。

 さっきからなんだかおかしい。
 暑さのせいか顔が熱くて仕方がなかった。
 まともに彼女の顔を見られなくて、視線を逸らす。

 そんな僕を不振に思ったのか彼女が「白鐘くん?」と名を呼んだ。

 その瞬間、驚くくらい鼓動がはねた。

「そ、それじゃっ。僕はこれで!」
「え? あ、ちょっと」

 彼女の声を背に聞きながら、来たばかりのジュネスを後にする。

 まったくもって、容赦なく照り付けてくる太陽は暑い。
 けれど、それ以上に熱いのは僕の顔だった。

 なんだって言うんだ。

 ただ、名前を呼ばれた事くらいで、いったいなんなんだ。

 僕は走り疲れて足を止める。
 荒い息を吐きながら息苦しさに膝に手をついて項垂れた。

 そうして手に持っていたスポーツドリンクに今更のように気が付いて、連鎖的に彼女の顔を思い出す。

 綺麗な人だと、初めて見たときから思っていた。
 その人が事件の関係者だと知ってさらに気になって仕方がなかった。
 堂島さんの姪御さんという事もあったと思う。
 彼女の存在は、僕の中で特殊な位置にあった。

 それが、今、さらに特別な位置に移動した事をなんとなく感じる。

 大きく息を吐いて、彼女がくれたそれの蓋を開けた。
 一気に飲み干して、体の中が冷えていくにしたがって脳も冷静な思考を取り戻していく。
 けれど。

 太陽と、僕の胸のうちはまだ、温度を下げる事がなかったのだった。





*****

うお~っ!
遅くなりました!
本当に申し訳ないです!
8月up予定だったお話です。

正直、記憶が曖昧になってきてこの時点で主人公たちが直斗の名前を知っていたのか覚えていないのですが・・・。
後で確認します^^;

さて、次は9月編ですよ。
いよいよ!
堂々と!
直斗が出せるね!(笑)

近いうちにupできるように何とか時間を作りたいです。
借りたゲームも出来てないくらい時間がないのはなんでなんだと思う今日この頃です^^;

では、次回!

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No.160|小話(性転換ネタ)Comment(1)Trackback()

Comment

無題

2012/03/18(Sun)02:04

つ、続きは無いのですか……!?

No.1|by NONAME|URLMailEdit

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