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P4Memo

P4Memo 要は萌の発露

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久々小話

2009/07/21(Tue)00:24

夏だし。
夏休みだし。

夏の話を書いてみました^^
主直です。

読んでやるぜ!の方は、「つづきはこちら」からどうぞ♪

*****

「なぁ。夏だし、みんなで海に行こうぜ!」

 深夜の電話。
 何事かと思えば陽介からの遊びの誘いだった。

 俺の記憶が正しければ、お前は俺と同じ受験生じゃないのか。と心の中で思いながら、すでに脳裏には予備校の予定が思い浮かんでいた。
 だが、ぎっしりと詰まった予定に迷う。
 一日でも休めばついていけなくなるかもしれない。そうなっては、夢は叶わないかもしれない。

 俺が目指す、絶対に叶えたい夢。

 けれど。

「直斗が、お前に会いたがってるぜ」

 その一言で、迷いは消え失せた。

 俺が叶えたいのは、直斗ともにあることだから。
 彼女が俺を求めてくれるのなら、俺はどこにでも会いに行く。

 勉強は・・・どこでも、いつでもできる。
 予備校で習う事よりも大切な事はあるよな。

 俺は、心の中で言い訳をしながら陽介に諾と答えた。








「先輩!」

 久しぶりに見た笑顔。
 俺はそれだけで幸せな気分になる。
 直斗もまた俺にはにかんでくれて、可愛くて仕方がない。

「元気にしていた?」
「はい! 先輩こそ、元気でしたか? 無理しすぎて体調とか崩していませんか?」
「大丈夫だよ。無理もしていないし」
「本当ですか? 先輩は大丈夫と言いながら無茶をしている時がありますから」

 信用しきれません。
 と、まじめな顔で言われて俺は笑った。

「信じて。本当だから。・・・じゃないと、直斗が怒るし」
「な! ぼ、僕は! 怒ってなんていません! ただ心配なだけで・・・っ!」

 先ほどとは違う意味で頬を染めて声を荒げる直斗。

「わかってる。心配してくれているんだよね」

 直斗の気持ちはこれ以上ないほど伝わってくる。
 俺を想って本気で心配して怒って泣いてくれる大切な人。

「お~い。いい加減、二人の世界はやめれ~」

 気がつけばみんなが俺たちを微妙な表情で見ていた。
 我に返った直斗は羞恥心からか顔を真っ赤にして俺の背中に隠れてしまった。

 これもまた可愛い。

「いい加減にしろ!」

 ぽす。と軽く陽介に叩かれて、俺は誤魔化すように笑う。

「ったく。今日はみんなで久しぶりに会ったんだぞ。二人だけの世界にばっか浸るなよ」
「わかったよ」

 頷く。

 ちらり、背後の直斗の様子を伺う。
 いまだ赤い頬を擦っている彼女。

 久しぶりに会った俺の恋人。
 何よりも今、会うことを自重して自分が死ぬほど勉強をしているのは彼女との未来を勝ち取るためだけれど。

 みんなと過ごす事も大事だから、今回も少し自重してみんなで過ごすことを第一に持ってこよう。

「じゃ、海に行こうか」

 俺の言葉にみんなが笑顔で頷く。

「よっしゃー! 行くぞーっ」

 わいわいと騒ぎながら歩き出す。そんなみんなの後ろを俺は歩いた。

 言い合いを始める陽介と里中。
 そんな二人をおかしそうに見ている天城。
 陽介と里中の仲の良さをからかうりせとクマに、とばっちりをうけて慌てている完二。
 それを静かに笑いながら見守っている直斗。

 懐かしい空気。
 俺は、少しだけ寂しさを感じた。

 半年前とは違う。
 そこに、俺はいない。






 するり。
 左手にぬくもりを感じた。

「・・・暑いですね」
「そうだね」

 優しい、小さな手を握り返す。

「・・・手、汗ばんでるよ」
「そうですね」

 小さく笑う。

「でも、僕も汗ばんでますから」

 おあいこです。
 そう言って笑った彼女が、ひどく、愛しかった。




*****

で。海は?

と突っ込みを入れたくなるような終わり方ですみません^^;
ちょっと番長の哀愁を書いてみたかったのでした。

まだ夏は始まったばかりですからね!
また近いうちに海水浴編を書きたいと思います。

それでは、またお会いしましょう^^


 

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