調子にのって書いた女主人公と男直斗、第2段(笑)
ただし、今回は直斗はいないという・・・。
現在もまだ女主人公の性格を掴みきれていないのでまたもや他の人の目線。
今回は戦う女主人公っす。短いっす。
読んでやるぜという方のみ『つづきはこちら』からどうぞ。
ん? 修学旅行ホテル編の続き?
も、もう少々お待ちくださいませ・・・。すみません<(_ _)>
*****
背中におろしていた長い髪をきゅっと高く結ぶ。
それまで、穏やかな顔で里中や天城と談笑していた神凪の表情が一変して、きりりと鋭い表情へと変わった。
いわゆるポニーテールで刀を持つその姿はまさしく女剣士で、制服姿よりも袴姿の方が似合うよなぁ、などとぼーっとしていると、神凪の鋭い視線が突き刺さった。
「煩悩を思い浮かべている暇があるということは、準備は万端なんだね」
にっこりと笑うけれど、瞳が笑っていない。
こえぇっ・・・。
恐怖にゾクっと背筋を震わせて、誤魔化すように笑う。が、やがてその視線に耐えられずにガクリと頭を垂れた俺は素直に「スンマセン・・・」と謝罪をした。
「花村。ここは命のやり取りをする場所なんだから、もっとシャキッとしてね」
「いえっさー」
頷くと、「よし」と先ほどとは違う、優しい笑みを浮かべて彼女は里中たちの方に行ってしまった。
そのうち準備も整って、完二を助けにあらゆる熱気が漂うダンジョンへと向かう。
颯爽と前進する神凪。
あいつはなんというか、女にしておくのがもったいないほど男前だ。
もしかしたら俺なんかよりもずっと男らしいかもしれない。
けれど、その一方で料理が得意という女らしさも備えていて、加えてあの容姿。
スポーツもそつなくこなし、成績もトップクラスということもあって瞬く間に全校生徒の憧れの的になった。
転校初日のモロキンの嫌味攻撃にも笑顔で切り替えしたあの勇姿はもはや伝説だ。
こうしてシャドウを前にしても怯まない。
勇猛果敢に切りかかり、攻撃をされてもひらりとかわし、まるで舞っているかのような身のこなしで戦う。
ペルソナも状況に応じて有効的に使い分けたりと状況判断も完璧だ。
こんな女、めったにいないんじゃないだろうか。
「伊月、すごいよね」
いつの間にか隣に天城がいた。
「なんていうか、カッコイイよね」
「花村、負けてんじゃないの?」
生意気なのは里中か。
「うるせー!」
「あはははっ。図星だからって当たらないでよね」
ムキになって返せば、里中がいやらしく笑った。
俺だってわかってるんだよ! あいつがカッコいい事くらい。
悔しい事に、俺はあいつほど要領よく探索を進められないし、細やかに気を使う事も出来ない。
あいつだから、出来るんだってことくらい!
「だからこそ、あいつにリーダーを頼んだんだよ」
そう。
俺には無理だったから、あいつにリーダーを頼んだ。
女のあいつを本来守んなきゃいけないのは男の俺かもしんないけど、あいつだから、事件を解決に導けると信じているから。
「ふーん」
二人が俺を見る。
「なんだよ」
「うん。花村くんには見る目があったって事よね」
「悔しいけど、そういうことだね」
「なっ」
急になに言ってんだこいつら!
「どうしたの? 三人で集まって」
神凪が、近づいてくる。
「あ。クマと話し合いは終わったの?」
「うん。完二くんの気配、まだ遠いみたいだから、今日はこの辺で撤収してまた明日にしよう。無理をして進んでも良い事はないし」
「おーけー」
天城と里中が撤収の準備を始めた。
「で? 花村はなんで赤い顔をしているの?」
くすりと笑われ、俺はさらに顔が熱くなるのを感じた。
「なんでもねーよ」
「そ? ならいいけど」
ひらりと髪を靡かせて背を向ける神凪は、その動作の一つ一つがやはり様になっていて。
「おまえ、かっこいいよな」
「それは褒め言葉なの?」
クスクスと小さく笑う伊月はどこから見ても女だけれど。
「おう! 盛大な賛辞だぜ」
胸を張って大きく頷いた。
「それなら、ありがたく受けとっておく。・・・ありがとうね」
目元を柔らかく緩め、目が覚めるような華やかな笑顔を俺に向ける。
・・・心臓が少しだけ早くなったのは、俺だけのヒミツだ。
*****
どんだけ私は花村が好きなんだー!
というくらい、花村登場率が高いですね。
ということで、調子に乗った女主人公話、2話目でございます。
書いている私は大変楽しかった・・・!
読んでくださった方も、少しは楽しんでくださるといいのですが^^
こうなったら少数派でもいいんで、思いつく限り女主人公話を書きたいと思います。
が、どこまで形に出来るかわからないので、当分はMemo内で書いていきますね^^;
PR