昨日の続きです。
結局、やまもおちもない展開で申し訳なく・・・。
次は男直斗も書きたいぞ!っと思いつつ、ネタをまとめ中。
と言う事で、お時間のある方はどうぞ下のリンクからどうぞ^^
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無人の改札を降りると、「おーい」と低い声音に呼び止められて足を止めると、そこには中年の男性と小さな女の子。
「あ」
その二人には見覚えがあった。
旅立ちの前、母から見せられた仲睦まじい親子の写った写真。
ずいぶんと・・・やつれた印象になった男は彼女の叔父で、小さな女の子は写真よりも大きくなった従姉妹だ。
写真に写っていたのは三人。
最後の一人は・・・もうすでにこの世にはいない。
その事にツキリと心が痛む。
「おう。写真で見るよりもずいぶんと印象が違うな」
偶然なのか、こちらと同じ感想を持っている叔父・堂島遼太郎に思わず笑みを浮かべた。
「姉キとは似てないな。どっちかと言えば父親似か?」
「そうですか?」
「まったく似てないって訳でもないが、顔の系統は父親に似ている気がするな」
彼の言いたいのはつまり日本人離れしていると言うことなのだろう。
色素の薄い髪と瞳。
顔の造形は純潔の日本人とは言いがたい。
「外国の血でも入っているのか?」
「そうですね。父方の先祖に外国人がいたらしいです」
「じゃあ、それでか」
納得したと頷く叔父。そこでハッとしたようにぼりぼりと頭をかいた。
「まぁ、なんだ。お前を一年間預かる事になっている」
「はい。よろしくお願いします。神凪伊月です」
「おう。んで、こっちが」
と、隣で上目遣いで見ていた少女の背中を押した。
身を乗り出した女の子は慌てた表情の後すぐに顔を伏せてしまう。
「娘の菜々子だ」
挨拶しろと促されて、菜々子だがちらりとこちらを見て小さな声で「こんにちは」というと遼太郎の背中に隠れてしまった。
その頬が赤くなっているのが見えたので、もしかしたら照れているのかも知れないと思うととても微笑ましくて笑みがこぼれた。
「よろしく、菜々子ちゃん」
少し腰をかがめて言うと、頷きつつもますます隠れてしまう。
それでも、はにかむ様子笑みを向けてくれたから良かったとほっと胸を撫で下ろす。
「さぁて、それじゃ行くか」
その言葉で、これから一年間暮らす事になる堂島家へと向かう事になった。
これからこの二人と暮らしていく。
しばらくはお互い慣れなくてぎこちないかも知れない。
少しずつでもいい。
お互いの距離を縮められたらと願う。
最後までぎこちないままで別れるのは嫌だから。
伊月は、晴天の稲羽市の空を見上げる。
瞬間、フラッシュバックするうたた寝の狭間に見た夢。
告げられた予言は不安を伴うもので、希望に溢れた胸中に一滴の墨を落とされたかのようにそれは消えずに残ったのだった。
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毎度、中途半端でごめんなさい。
とりあえず、これはこれで終わり。
このままストーリー通りに話を書いていったら大変な長さになる(笑)
でも、女主人公で進んだらどんな感じかなーって興味はあります^^
と、言う事でまた次の小話で会いましょう!
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