普通に主直でパラレル。
ペルソナとか一切関係のないお話ですがよろしかったら読んでみてくださいね^^
・・・何気に続いていたりしますが(笑)
今は仕事探しが中心な為、いつちゃんと更新できるか分からないのでさらりと書けるものを選んだつもりです。
時代劇パラレルは無理でした(笑)
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幼い頃住んでいた土地に戻る事になった。
昔から親の仕事の都合で引越しを繰り返していた樹が、一番長くいたこの土地。
懐かしい風景。でもやはり見慣れない建物も多い。
10年という歳月をリアルに実感する瞬間だった。
「やっぱり、昔と一緒とは行かないよな」
記憶を辿って見覚えの道を歩いているうちに、以前住んでいた郊外のマンションの近くまで来ていたことに気がつく。
今の住まいはもう少し街中にあるマンションなのでここに来るのも引っ越して以来だ。
「あ、そうだ」
この近くに、木に囲まれた大きなお屋敷があったはずだと思い出す。
周囲を見回して、木々が密集しているあたりを見つけるとそこに向かって歩き出した。
「あの子、元気かな?」
そのお屋敷に住んでいた、長い黒髪の女の子。日の光に照らされるとその髪は藍色に見えてとても綺麗だったのを覚えている。
色白で、泣いたり笑ったり忙しくて、でも一緒にいてとても楽しかった。可愛い女の子だった。
「名前は・・・えーと、なんだったかな?」
確か女の子にしては珍しい名前だった気がすると、喉元まで出掛かっている名前が今一歩出てこない。
すっきりしないと眉を寄せている内に目的の場所にたどり着いていったん思考を止めた。
「でかいな」
密集した木々を囲む柵。横にも縦にも大きい。
ここが住宅だとは思わずに迷い込んだあの時は確かボールを追いかけてだった。
「懐かしいなぁ」
しみじみと呟くと、
「・・・うちに何か御用ですか?」
「え?」
背後から硬い声が聞こえて慌てて振り返る。
そこにいたのは、帽子を深く被り、学生服に身を包んだ少年だった。
「すみません。以前、この辺に住んでいたもので、懐かしくてつい立ち止まっていました」
慌てて弁解するが、その少年はなにやら目を大きく見開いて樹を見ていた。
「あなたは・・・」
「え?」
もしかして昔知り合いだった人だろうかと記憶を探るが思い当たる人がいない。
首を傾げていると、少年は少しの間目を伏せて次には鋭い視線を向けた。
「ここは人の家の前です。不審者として訴えられたくなかったらさっさと立ち去る事ですね」
言い捨て、樹の脇を通り過ぎるとそのまま背を向けて門を抜けて行ってしまう。
あまりのキツイ物言いに樹は眉を寄せた。だが、彼の言う事も事実なので何も言い返せずそのままその背を見送るしかなかった。
「・・・あれ? この家って」
記憶にあるこの家の所有者の子供はあの女の子一人だった記憶がある。
『わたし、ひとりっこなの』
そう言って寂しそうに笑ったあの子。
「あれ?」
一瞬、あの少年と顔立ちが被って思考が停止する。
「・・・え?」
まさか同一人物なのかと混乱しかけたがすぐに「まさかな」と疑念を打ち消した。
「親戚かなにかだろ」
似ているのきっとそういう事なのだろう。と自分を納得させて、本当に不審者として通報される前に立ち去ろうと木々に囲まれた屋敷から背を向ける。
懐かしい土地での生活は始まったばかり。
次に来る時にはあの女の子と会えたらいいな、と希望を抱きながら樹は笑みを浮かべた。
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という事で、パラレル連載開始です。
1話分を短くして書いていく予定。
他のキャラも出る予定ですよん。
よろしかったらお付き合いくださいね^^
あ。ちなみに幼馴染みパラレルですよん。
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