性転換ネタその11。
女性主人公で本編(略)の第2話、5月編でございます~。
5月と言えばあのイベントとあのイベント!
うふふふふ。
ではでは、読んでやるぜ!と言う方は「つづきはこちら」からどぞ^^
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『おねえちゃん!』
きらきらと輝くような笑顔。
思い出すだけもあの時の感動が蘇る。
はぁ、と吐息を零し、伊月は口元に笑みを浮かべた。
「まぁた思い出してんの?」
ちゅーっとジュースを飲みながら、一向に戻ってこない伊月を呆れた眼差しで見ているのは千枝だ。
「帰ってこないね」
伊月の顔の前にひらひらと手を泳がせたのは雪子で、二人は顔を見合わせて苦笑した。
事の発端はGWのある晴れた日の事。
彼女の叔父である堂島遼太郎氏とその娘である菜々子の三人でGWは出かけよう。そういう約束をしていた。
けれど、遼太郎氏は仕事の関係で休みを取る事が出来ず、菜々子はひどく落ち込んだ。そんな時、タイミングよく自称特別捜査隊・・・なんていうと仰々しいが、ようは陽介と千枝と雪子と一緒に遊ぼうと言う誘いが来たので、伊月は菜々子も一緒にと従姉妹を連れ出したのだ。
そして、その時はやってきた。
『おねえちゃん!』
それまで、どこかよそよそしかった菜々子がまるで太陽のように明るい笑顔を向けて伊月を呼んだ。
ニコニコとこちらを見上げる従姉妹はそれはもう天使のようだった。とは目の前にいる友人の談。
言っている本人こそ女神(は言い過ぎかもしれないが)のような綺麗な顔をしていると言うのに、うっとりとしながらその時の話をする彼女は今まで見たこともないほど恍惚とした顔をしていた。
こんな顔もするんだなぁと、初めてみた時は心底驚いたものだが、もう何度目かと言うほど目にしてしまうと、またかという呆れの気持ちの方が強くなったのだった。
「ほんと、菜々子ちゃんが好きなんだね」
「もちろん。大好きだよ」
「あ。戻ってきた」
ふと呟いた言葉が、どこか遠くに行ってしまっていたはずの友人の耳に届いたらしくしっかりと肯定の答えが返ってきた。
「初めはね、正直なところ不安だったんだ」
「不安?」
「そう。私、一人っ子だし、菜々子にどう接したらいいのか分からなかった。お母さんに『大丈夫だ』って言われたけどね」
小さく笑う。
「初めて会った時、すごく緊張したんだよ」
「モロキンをやり返したのに?」
「それとこれとは別。・・・一ヶ月一緒に居てもなかなか打ち解けられなくて、どうしようかなって思っていた時にあの笑顔・・・! うれしかったなぁ・・・」
しみじみと呟く。
「あれからね、今までが嘘みたいに懐いてくれているんだよ」
にこにこと、本当に無邪気に笑う。その姿がどこがあの日見た菜々子の笑顔に重なり、千枝と雪子は自然と笑みを浮かべた。
「やっぱさ、伊月と菜々子ちゃんって従姉妹なんだね」
「うん。笑った顔、そっくりだよ」
パチパチと、伊月は目を瞬いた。
やがてうっすらと頬を染めた彼女は本当に嬉しそうに微笑を返す。
「ありがとう。うれしいな」
ふふふ。と、くすぐったそう首を竦めて。
そんな姿を見れば、菜々子が好きなんだという言葉が一欠けらの偽りもなく真実と分かった。
「さっ! 菜々子ちゃんの話は終わりにして、わたしらは中間テストの勉強でもしますか」
「めずらしい。千枝から勉強しようだなんて」
「しょ、しょがないじゃん! 明日苦手な教科なんだもん。二人とも教えて~っ」
両手を合わせて頭を下げる千枝に伊月と雪子は顔を見合わせて笑ったのだった。
*****
忘れもしないあのイベントその1。
菜々子の素敵な笑顔~♪
あの時のあの一言と笑顔のコンボは最強でした・・・!
という話(笑)
もう一つ書きたい話があるので、多分5月編はもう一回書きます(笑)
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